HOME  >  川崎相続遺言法律事務所ブログ  >  自筆証書遺言書保管制度の開始(令和2年7月10日~)
川崎相続遺言法律事務所ブログ

2020年5月22日(金)

自筆証書遺言書保管制度の開始(令和2年7月10日~)

 

 

 

 

 

1.自筆証書遺言書保管制度の開始

 

 

令和2年7月10日(金)から、自筆証書遺言書保管制度が開始されます。

 

 

同制度は、法務局(遺言書保管所)が自筆証書遺言書を保管してくれるという制度です。

 

 

従前、自筆証書遺言のデメリットとして、遺言者による紛失や相続人による廃棄・改ざん等のおそれが挙げられておりましたが、同保管制度を利用することで、これらのおそれを避けることができるようになりました。

 

 

また、別のデメリットとして、遺言者が亡くなった後に、家庭裁判所で「検認」という手続を経る必要があることも挙げられておりましたが、同保管制度を利用すれば、「検認」手続きも不要になります。

 

 

以上のようなメリットがあり、公正証書遺言に比べれば、保管の申請の手数料も比較的定額(1通につき、3900円)であるため、今後は、同保管制度が活用されていくことが予想されます。同保管制度の概要は、当事務所のホームページでも説明しておりますので、自筆証書遺言の作成をお考えの方は、ぜひご覧ください。

 

 

なお、同保管制度を利用するにあたっては、遺言書の様式が定められています。例えば、用紙はA4サイズであること、上下左右それぞれに余白を設けることなどです。

 

 

また、法務局であれば、どこでも遺言を保管してくれるわけではありません。保管の申請ができる法務局(遺言書保管所)は、遺言者の住所地、遺言者の本籍地、もしくは遺言者が所有する不動産の所在地のいずれかを管轄する法務局(遺言書保管所)になります。川崎市内を管轄しているのは、川崎支局(所在地:川崎市川崎区宮前町12-11川崎法務総合庁舎)です。

 

 

そして、その法務局(遺言書保管所)に、遺言者自身が、申請の手続きをしに行く必要があります。そのため、遺言者が、老人ホームに入居中であったり、病院に入院中であったりして、法務局まで外出することが難しい場合には、同保管制度の利用ではなく、公正証書遺言の作成を検討する必要があるでしょう。

 

 

詳しくは、法務省のホームページに記載されておりますので、同保管制度の利用を想定して遺言書を作成される際は、ご注意ください。

 

 

2.遺言書作成の必要性

 

 

遺言書を作成していなかったために、相続人間で紛争が生じてしまうケースは決して少なくありません。相続人間での紛争を避けるためにも、ご自身の意思をしっかりと遺言に残しておくことが大切です。同保管制度を利用すれば、ご自身の意思をより確実に残すことができますので、一つの選択肢として、ぜひご検討ください。

 

ページの先頭へ