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川崎相続遺言法律事務所ブログ

2019年9月25日(水)

家族信託をするためには家族が必要

 

 

 

1 信頼できる家族が2~3人必要

 

当たり前の話ですが、家族信託は自分の財産を託すことができる、受託者候補となる家族・親族がいなければ、設定することができません。

 

また、現在のところ、銀行に信託口口座をつくる場合、受託者がいなくなった場合の後継の受託者を設定する必要がありますので、同じように信頼して財産を託せるもう一人の家族が必要となります。

 

また、認知症に備えて、任意後見人を設定しておく場合、その任意後見人候補者が必要であり、この方も別の方である方が望ましいので、この場合3人目の信頼できる家族が必要です。

 

最近は核家族化も進み、近所に信頼できる家族が居住していないということも多いでしょう。そこで、家族信託には興味があるが、近所の家族の中に受託者の候補者がいないので諦めざるを得ない、ということがあり得ます。

 

 

 

2 家族が居ない場合等に必要となる後見制度

 

 

上記のようなご家族が居れば、認知症対策として、家族信託をするかしないか選択することができます。

 

ところが、そのようなご家族がいなければ、家族信託を設定することはできません。

 

その場合、自分が認知症になるなどして財産管理能力を失ったしまった場合、おそらく後見制度を利用することになります。このとき、後見人を知っている人に頼みたいということであれば、事前に任意後見制度を利用することができます。

 

家族信託を勧める人は、成年後見制度を過度に批判する人もいます。確かに、成年後見制度は硬直的なところがありますが、その趣旨は、被後見人本人の保護であり、硬直的なのは、その財産を減らさないためです。

 

財産管理を任せられるようなご家族がいなくなってしまい、ご自身が認知症等で財産管理能力がなくなった場合、今のところ後見制度を利用して保護するしかありません。後見制度は万全とは言えませんが、問題のあるところについては、運用を改善し続け活用していくべきだと思います。

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