2017年3月23日(木)
法人なども特別縁故者になるか
公益的な事業をしている施設などの法人・団体は、例えば身寄りのない者に対し、無償で長期間療養看護をすることなどがあり得ます。
また、学校や宗教法人などは、その団体に長期間勤務する者などから寄付を受けるなど、個人と深く関わりを持つ場合があります。
この個人が遺産を残して亡くなり、相続人が居なかった場合、これら法人などの団体も、特別縁故者にあたるかどうか、問題になります(特別縁故者についてはここを参照ください)。
自然人だけでなく、法人や団体も特別縁故者となることがあります。
例えば、介護施設が長期間無償で被相続人の身の回りの世話をし、被相続人から亡くなったら施設に財産を渡したいと言われていた場合などは、特別縁故者の趣旨に合致するからです。
例としては、町などの地方公共団体、学校法人、宗教法人、公益法人・社会福祉法人、法人格なき社団・財団や民法上の組合などが認められています。
多くは、被相続人が法人などに財産を与えたいと明確に意思を表明しているが、遺言がなかったり、遺言に不備がある場合、または、財産を分与することが被相続人の遺志に合致すると考えられる場合に認められるようです。
したがって、法人などが特別縁故者の申し立てをする場合、法人などと被相続人とが深い関係を持っていたことを説明し、財産を法人などに与えることが、被相続人の遺志に合致することを説得的に主張・立証する必要があります。
相続人がいない方が、遺言書を書きかけで亡くなった場合は、特別縁故者にあたるかどうかを一度考えてみる価値がありそうです。
(関口)