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川崎相続遺言法律事務所ブログ

2017年3月13日(月)

相続資格の重複

あなたが,自分の祖父と養子縁組をしたとしましょう。

 

ところが,祖父より先に自分の父親(祖父の子)が亡くなってしまいました。

 

あなたは,祖父の養子として祖父の財産を相続しますが,一方で,亡くなった父親の代襲相続人としての地位も有しています。

 

この場合,あなたは,祖父の養子としての相続分および代襲相続人としての相続分を両方相続できるのでしょうか?

 

答えはイエスです。あなたは,養子および代襲相続人の両方の立場で相続することができます。「相続資格の重複」などといいます。

 

次はどうでしょう。あなたの配偶者があなたの両親と養子縁組しました(養子縁組によって,あなたの配偶者はあなたの兄弟姉妹としての地位も有することになります)。

 

その状況で,あなたの配偶者が亡くなりました。このとき相続人となるのが配偶者と兄弟姉妹であった場合,あなたは配偶者としての相続分と兄弟としての相続分を両方相続できるのでしょうか?

 

最初のケースと同様に考えれば,「相続資格の重複」を認めてもよさそうですが,実務は配偶者としての相続分しか認めていません。つまり,答えはノーです。

 

では,最初のケースで,祖父が亡くなったときに,父親がまだ生きていた場合はどうでしょうか?

 

あなたは,祖父の養子ですから,父親の兄弟姉妹としての地位も有します。

 

とすると,両方の立場で相続することができるようにも見えます。

 

しかし,子が相続人になる場合は,兄弟姉妹は相続人とはなりえません。この場合は,そもそも「相続資格の重複」の問題ではないのです。よって,あなたには養子としての相続分だけが認められることとなります。

 

(小林)

 

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