2017年3月6日(月)
「及び」と「並びに」の使い分け
1.「及び」と「並びに」の使い分け
「及び」と「並びに」という言葉は、日常的には同じ意味で用いられていますが、法令用語として用いられるときには使い分けがなされています。
簡単にいえば、「及び」は小さい、「並びに」は大きいというイメージです。
例えば、ケーキ、シュークリーム、タルト、まんじゅう、ようかんという言葉を区分したいとき。
ケーキ、シュークリーム、タルトは「洋菓子」で、まんじゅう、ようかんは「和菓子」と区分できますよね。
このように、上記の言葉は、大きく、洋菓子と和菓子で区分することができます。
したがいまして、ケーキ、シュークリーム、タルト、並びに、まんじゅう、ようかんというように、大きい区分として用いる「並びに」という言葉を使うことになります。
その次に、洋菓子の中でもケーキ、シュークリーム、タルトは各々違う食べ物ですし、和菓子の中でもまんじゅう、ようかんは違う食べ物ですから、これらも区分することができます。
そこで、ケーキ及びシュークリーム及びタルト、並びに、まんじゅう及びようかんというように小さい区分として用いる「及び」という言葉を使うことになります。
更に、厳密にいうと、3つ以上の言葉を接続する場合は最後だけ「及び」を使いますので、ケーキとシュークリームの間の「及び」は不要ということになります。
したがいまして、ケーキ、シュークリーム及びタルト並びにまんじゅう及びようかんが一番すっきりする書き方になります。
2.「もしくは」と「または」の使い分け
「もしくは」と「または」についても同様の考え方をすることができます。
すなわち、「もしくは」は小さい、「または」は大きいイメージです。
例えば、うどんかそばか焼き肉を食べたいとき。
うどんとそばは麺類で一括りにすることができますので、うどん、そばまたはお好み焼きが食べたいという形で「または」という言葉を使うことになります。
そして、麺類の中での小さい区分としてうどんとそばを分けることになりますから、うどんもしくはそばという形で「もしくは」という言葉を使うことになります。
したがいまして、うどんもしくはそば、またはお好み焼きを食べたいという言い方をすることになります。
もし法律等をご覧になる機会があれば、以上の使い分けを意識して読んでみてください。
(勝本)