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川崎相続遺言法律事務所ブログ

2016年12月13日(火)

ディープラーニング

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1.はじめに

 

先日、法曹囲碁大会に参加しました。法曹囲碁大会とは、弁護士を中心に法曹等が集まって、日本棋院で開かれる盛大な大会です。

 

大会では、プロ棋士の方も招いて、指導碁を担当してもらっているのですが、開会式でプロ棋士の方がしていた「アルファ碁」の話が興味深かったため、その内容をテーマにしたいと思います。

 

2.アルファ碁とディープラーニング

 

そもそも、「アルファ碁」とは何かということですが、囲碁専用コンピューターの名称です。

 

以前もブログで書きましたが、この「アルファ碁」というコンピューターが、「世界最強の棋士」といわれる韓国のイ・セドル氏と5番勝負をし、4勝1敗で勝ち越したというのが少し前ビッグニュースになりました。

 

少し前のコンピューターの実力では到底プロ棋士に敵うものではなく、コンピューターが勝てるようになるのはだいぶ先だと思われていたからです。

 

では、なぜコンピューターが囲碁界のトップ棋士に勝つことができたのか。タイトルに書いた「ディープラーニング」という手法が大きく関係してきます。

 

これまでの人工知能は物事の特徴等を自ら学習することができませんでした。自ら学習できないわけですから、人間が一つ一つ教えていたわけです。

 

例えば、オセロです。オセロでは、四隅を取れるかどうかが勝敗に大きく関わってきます。だから人間が四隅を取ると勝ちやすいということをコンピューターに教えてあげるわけです。

 

オセロであれば、コマを置く選択肢もそこまで多くはないので人間が教えてあげることで早いうちからプロを負かすこともできていました。

 

しかし、囲碁はそうはいきませんでした。囲碁は盤上の変化の数が10の360乗といわれています。チェス(10の120乗)や将棋(10の220乗)と比較しても囲碁の複雑さは明らかでしょう。そこで、人間が教えるという従来の方法では囲碁のコンピューターはなかなか強くなりませんでした。

 

ところが、ディープラーニングという手法が取り入れられることにより、コンピューターは格段に強くなりました。これまでと違うのは、コンピューターが自ら学ぶことができるということです。

 

過去に人間が打った10万もの棋譜(対局の記録)から学び、自分同士の対局を3千万回も繰り返すことで、実力を一気に引き上げたといわれています。

 

プロ棋士の方も、この「アルファ碁」の登場には脅威を感じているようでした。

 

囲碁に限らずコンピューターの発展は目覚ましいものがあり、楽しみである一方で、人工知能の発展によって取って代わられる職業も出てくるのではないかという予測もあるところであり、恐ろしくもありますね。

 

(勝本)

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