2016年8月22日(月)
弁護士の専門性を高める
弁護士は法律の専門家であり,多種多様な事件を扱うことができます。
私も弁護士になりたてのころは,できるだけ多くの事件の経験を積めるよう,頑張ってきました。
しかし,法曹人口が増え,中でも一般民事事件・家事事件を多様に扱ういわゆる「マチベン」の数は大幅に増えています。
何でも薄く広くできる弁護士,という需要は減り,高度な専門性をもった弁護士が求められています。
私は,離婚などの家事事件や一般民事事件も扱いますが,方向性としては,相続に関する事件をより多く受任し,専門的な能力を高めて,依頼者の期待に応えられるよう研鑽を積んでいます。
高名な弘中惇一郎弁護士も,弁護士は,生涯のテーマを決めて取り組むべきであり,依頼者は,そのような弁護士を選ぶべきであると述べています。
「弁護士だって、大きな事件を一つ片付ける頃には歳を取って、疲れているわけです。弁護士も人間ですから、一人でそんなに多くの事件はできない。一人の弁護士の適正な事件数というのがあると思う。そういう意味で、法曹人口は全体が増えているわけですから、やる気のある人のところに依頼や相談をするほうがいいと思います。」(「デキる弁護士、ダメな弁護士」 内藤あいさ著 講談社+α新書 2010年発行)
弁護士は,事件に力を尽くさなければならず,依頼者と強固な信頼関係を築き,事件を通じて,共に人生の困難に向き合い立ち向かう覚悟が必要です。
「一人の弁護士の適正な事件数というのがある」というのは,同時進行的にも,弁護士人生を通じても,その通りと思います。
依頼者の方や事件との出会いは偶然ですが,その出会いを大切にしていきたいです。
弘中弁護士のコメントは,まさに我が意を得たりという感じでした。
以上