2016年3月18日(金)
法律用語は面白い!?
「遺言」・・・何て読みますか?
一般には「ゆいごん」でしょう。しかし,法律の世界では「いごん」と読みます。
このように,法律の世界では通常とは異なる読み方をする言葉があります。たとえば,「兄弟姉妹」「競売」「境界」などがあります。
それぞれ「きょうだいしまい」「きょうばい」「きょうかい」と読むのが一般でしょう。
ところが,法律の世界になると,それぞれ「けいていしまい」「けいばい」「けいかい」と読みます。
また,こんなのもあります。
民法94条2項をみると,「前項の規定による意思表示の無効は,善意の第三者に対抗することができない。」と規定されています。
ここで注目してほしいのは,「善意」です。一般に「善意」とは「善良な心」「他人のために良かれと思う心」ぐらいの意味で使うと思います。
しかし,民法94条2項の「善意」は,「(ある事情について)知らない。」という意味で使われています。一般とはまるで意味が違うので戸惑うかもしれません。そうすると,「(ある事情について)知っている。」ことは,「悪意」となりそうですが,そうです「悪意」といいます。
では,これはどうでしょう。
民法88条には以下のような規定があります。
民法88条1項 「物の用法に従い収取する産出物を天然果実という。」
民法88条2項 「物の使用の対価として受けるべき金銭その他の物を法定果実という。」
ここで注目してほしいのは,「果実」です。一般には,「リンゴやミカンなどの果物の実」のことをいうと思いますが,「天然果実」には,「野菜」「牛乳」「鉱石」なども含まれます。
少し違和感があるかもしれませんが,自然の産出物という意味では同じと考えれば,納得できると思います。
しかし,「法定果実」はどうでしょう。「法定果実」とは,「利息」「家賃」「地代」などのことをいいますが,これらは一般の「果実」という概念からは全く想像できないものでしょう。
このように法律の世界には,一般とは違う読み方をする言葉や,同じ言葉でも意味が違ったりする言葉もあります。これらを探してみるのも,面白いかもしれません(よね?)。
(小林)