賃貸アパート経営で節税するリスク
不動産しか遺産がなく、相続税の負担が見込まれ、土地を切り売りしなければならない場合、賃貸住宅を建てることで節税することができます。
土地の相続税評価額は更地の場合は高くなり、建物や賃貸アパートがあれば、評価額自体を下げることができるからです。
また、借り入れを行えば、債務が増えますので、全体として相続財産を減らすことができます。
このような、相続税の節税を目的に、空き室家賃保証や一括借上などをうたい、アパート建設・管理会社が賃貸住宅建設を勧めてくることがあります。
しかし、「家賃保証」の内容をよく見極めないといけません。リスクなしでアパート経営ができて節税にもなる、そんなうまい話しがあるのでしょうか。
2年毎に契約更新があり、保証家賃の見直しがある、解約条項があり、管理会社の方から一方的に解約することができる、などという内容の契約かもしれません。
空き室がでた場合、近隣相場と比較して家賃を大幅に下げなければならなくなる可能性は十分あります。
人口は減少していくことが確実です。近隣の大学などが移転するなど需要が急減することもあります。
更地しかなく、建設資金を借り入れるのであれば、抵当権の設定をして多額の借金を返すことになります。
アパート経営はリスクがある投資ですので、節税に目を奪われず、よく考えなければなりません。
なお、賃貸アパートのオーナーは事業者とみなされ、消費者契約法も適用されない危険もあります。
節税目的でアパートを建てる場合は、空き室リスクを十分に見極め、契約をよく吟味し、検討しましょう。
(関口)