2015年7月3日(金)
遺言執行者って・・・?
遺言執行者
「いごんしっこうしゃ」と読みます。
この遺言執行者って何者なのでしょうか?
そもそも「遺言の執行」とは,遺言の内容を実現することですから,遺言執行者とは,「遺言の内容を実現する人」ということになりそうです。
ところが,遺言執行者でなければできない行為は,「子の認知」と「推定相続人の廃除又はその取消」ぐらいしかなく,その他は,相続人ですることができるか(遺贈を実現するための不動産登記,預貯金口座の解約など),遺言の執行すら必要のないもの(遺産分割の禁止など)です。
では,遺言執行者を指定するメリットって何なのでしょうか?
遺言者は,自己の遺言の内容がスムーズに実現することを望んでいるはずですが,その内容によっては,相続人の足並みがそろわず,相続人全員の協力が得られないことが往々にしてあります。
そのような場合に,遺言執行者を指定しておけば,遺言執行者は,相続人の代理人として,単独でその権限を行使することができますから,遺言の内容をスムーズに実現することができるのです。
なお,遺言執行者は,未成年者や破産者以外は誰でもなることができますので,相続人や遺贈を受ける者(受遺者)もなることができます。
しかし,相続関係者が遺言執行者になると,利害関係が複雑に絡み合い,かえって紛争の火種となりかねません。
そこで,利害関係のない公平な第三者である弁護士を遺言執行者に指定することは,そのような紛争の火種を消す効果が期待できますので,賢明な方法だと思います。
(小林)