2016年2月19日(金)
遺言書を見つけたら
遺言書が見つかったら、家庭裁判所に提出して、その「検認」を請求しましょう。
なぜなら、遺言書(公正証書による遺言を除く。)の保管者またはこれを発見した相続人は、遺言者の死亡を知った後、遅滞なく、家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければならないことになっているためです。
また、封印のある遺言書は、開封してはいけません。
なぜなら、封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人またはその代理人の立会いがなければ、開封することができないことになっているためです。
「検認」という言葉は聞き慣れないと思いますので、ご説明致します。
検認とは、相続人に対し遺言の存在及びその内容を知らせるとともに、遺言書の形状、加除訂正の状態、日付、署名など、遺言書の内容を明確にして、遺言書の偽造や変造を防止するという手続きをいいます。
ただ、注意が必要なのが、検認は、あくまでも遺言書の偽造や変造を防止するための手続きであって、遺言の有効・無効を判断する手続きではないということです。
したがって、検認を経たからといって、その遺言が有効であるということにはなりません。検認を経た後に、筆跡が遺言者のものではない、あるいは当時遺言者には遺言できる能力はなかったなどの理由で遺言の有効性を争うことができます。その場合は、遺言無効確認訴訟などの民事訴訟を提起して、裁判所に遺言の有効性を判断してもらうことになります。
遺言書を預かって保管している、あるいは遺言書を見つけたという方は、遺言書に手を加えずに、そのまま家庭裁判所で検認手続きをしてもらいましょう。
(勝本)