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川崎相続遺言法律事務所ブログ

2015年8月21日(金)

笑う相続人

人が亡くなると相続が開始しますが,このとき誰が相続人となるかは,民法という法律で定められています。

 

この民法によって定められた相続人を法定相続人といいますが,配偶者は常に相続人となります。

 

では,配偶者のほかに誰が法定相続人となるのでしょうか?

 

この点まず,子がいれば,子が相続人となります。子がいなくても孫がいれば孫が相続人となります。

 

子や孫,そしてさらに下の世代もいなければ,今度は上の世代である,親が相続人となります。

 

そして,親や祖父母などの上の世代もいない場合,今度は,兄弟姉妹が相続人となりますが,兄弟姉妹がいない場合でも,兄弟姉妹の子,つまり甥っ子や姪っ子がいれば,甥っ子や姪っ子が相続人となります。

 

民法で定められた相続人はここまでです。したがって,甥っ子,姪っ子の子は,法定相続人とはなりません。

 

なぜでしょうか?それは,無限に法定相続人の範囲を広げると,亡くなった人と生前全く交流のない,場合によっては存在すら知らなかったという人まで,相続人になりかねません。

 

このような人は,親族が亡くなったという悲しみなどを感じることなく,莫大な遺産を手にすることもありえます。このような相続人は「笑う相続人」と呼ばれますが,このような「笑う相続人」を出さないように,法定相続人の範囲に歯止めをかけたのです。

 

ただ,法定相続人が一人もいない場合,遺産は原則,国のものになります。「笑う相続人」に相続させることは阻止できても,自分の財産が全部国のものになってしまうのも,おそらくは亡くなった人の本意ではないでしょう。そこで,遺産となる自身の財産の処分については遺言にきちんと残しておくことが肝要だと思います。

 

(小林)

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