2015年8月10日(月)
調停での話し合いと通常の話し合い
遺産分割においては,まずは相続人間での話し合いによる解決が基本となります。
しかしながら,相続人それぞれの様々な思惑がからみ,合意どころか話し合いにすらならないこともありえます。
そのような場合,家庭裁判所に申立をし,そこで改めて話し合いをし合意を目指すというのが調停という手続です。
この点,もうすでに話し合いがまとまらなかったのだから,これ以上話し合っても無駄だと思われるかもしれません。
しかし,調停における話し合いは,当事者間が顔と顔を突き合わせて行う,一般的な話し合いではなく,調停委員という公平な第三者が,当事者間の話しを個別に聞くという方法で話し合いが進められます。
このように争いのある相手方と,直接顔を合わせることなく話し合われるので,冷静な議論が期待できますし,弁護士を代理人とすれば,自身にとって不利な解決となるのを回避することができるほか,そもそも自身が調停に出頭しないでも手続を進められる場合もあります。
それでも話し合いがまとまらず合意に至らなかったとしても,その場合は審判手続に移行し,裁判所が一切の事情を考慮して結論を決めてくれますので,これまでの話し合いが無駄になることもありません。
このように調停手続には通常の話し合いにはないメリットがありますので,遺産分割でお悩みの方は是非利用すべきです。そして,その際は弁護士を代理人とすることでそのメリットがより発揮されることになると思います。
(小林)