2015年4月24日(金)
相続放棄はどこまで続く・・・
再び,相続放棄です。
たとえば,あなたの父親が亡くなったが,借金しか残っていなかった場合,あなたは相続放棄をすることで,借金を背負わずに済むことになります。
そうすると,父親の借金はどこに行ってしまうのでしょうか?
ちなみに,相続放棄は,一旦相続した遺産を放棄するのではなく,「初めから相続人とならなかったもの」とみなされます(民法939条)。
とすれば,あなたは,この相続に関しては,そもそも相続人ではないのですから,次の順位の相続人である父親の両親,つまりあなたの祖父母が相続人となります。
そうすると,あなたの祖父母が健在であれば,今度は,祖父母が借金を背負うことになり,それを免れるためには,祖父母が相続放棄をする必要が出てきます。
では,祖父母が相続放棄をすればそれで安心かといえばそうではなく,次の順位の相続人である父親の兄弟姉妹(兄弟姉妹がすでに死亡していれば兄弟姉妹の子,つまり,甥っ子姪っ子)が相続人となり,借金を背負うことになるので,親族全員が父親の借金を免れるためには,あなたの甥っ子や姪っ子まで相続放棄をする必要が出てくる場合もありますので,ご注意ください。
あれ?あなたの子どもや孫は,相続放棄をする必要はないの?と思われた方,自然な疑問だと思います。しかし,あなたは,相続放棄によって,もはや相続人ではなくなっているのですから,子供や孫には相続するものがありません。したがって,あなたの子どもや孫は相続放棄の手続きをする必要はないのです。
追伸:すっかり暖かくなってきました。そろそろアウトドアの虫がうずきだしています。外で体を動かして,冬の間に備蓄した脂肪を燃焼すべく,いろいろ計画中です。
(小林)