2015年3月27日(金)
遺言について考えてみませんか
すでに,無料相談会の告知をさせていただきましたが,4月15日は「遺言の日」です。
「良(4)い遺言(15)」の語呂合わせで,ほかには,「いい(11)遺言(15)の日」(11月15日)なんてのもあります。
ところで,皆さんは,遺言書を作成しようなどと思ったことはあるでしょうか?
高齢者の方ならともかく,そんなこと考えもすらしなかった若い方もいらっしゃるかもしれませんが,法律上は,15歳になれば遺言をすることができます。
現在,成人つまり大人とされる年齢は20歳です。選挙権については年齢の引き下げが行われることになりそうですが,それでも18歳です。
しかし,法律は,大人として要求される判断能力まではなくとも,15歳になれば,自分のした遺言の内容を理解し,それによってどんな効果が生じるかを判断できる能力(遺言能力)については備わるだろうと考えました。つまり,遺言能力は,大人として要求される判断能力よりも低いもので足りるということになるのです。
そうすると,高齢や障害のため認知症になり判断能力の衰えた方にも遺言能力が認められる余地が出てくることになります。
これは軽度の認知症の場合にとくに問題となります。しかし,軽度の認知症とはいえ,判断能力が衰えていることは間違いはなく,もうすでに遺言能力が備わっていない場合もありえます。このとき,この状態を利用し自分に有利な遺言を書かせる被相続人がいた場合に,軽度の認知症だから遺言能力は備わっており遺言は有効であるなどと一律に判断されてはたまりません。
人は誰しも,年齢とともに判断能力が衰えていきます。これを避けることができないのであれば,判断能力が十分なうちに遺言書を作成しておくのが最良の方法です。
これまで多くの方が遺言について深く考えたことはなかったかもしれませんが,「遺言の日」をいい機会として,遺言について考えてみるのもいいのではないでしょうか。
(小林)