2017年12月18日(月)
「第九」は長いよ
今年もあとわずか,あっという間の1年でした。
思い出せば司法試験の受験勉強をしていたころ,年末といえば「第九」と有馬記念がささやかな楽しみでした。
さて,有馬記念はさておいて,今日は「第九」のお話をします。
「第九」とは,「交響曲第9番ニ短調作品125」のことで,ベートーヴェンが作曲した9番目の,そして最後の交響曲になります。
交響曲が何かはここでは触れませんが,この「第九」は,これまでの交響曲とは一線を画す,大きな特徴があります。
それは,オーケストラによる楽器のみで演奏されていた交響曲に,人間の声(声楽)を取り入れたことです。したがって,ベートーヴェン自身は標題などはつけませんでしたが,「合唱付き」などという副題がつくことが多いようです。
そして,合唱部分は,一般には「歓喜の歌」というタイトルで,皆さんも一度は耳にしたことがあると思います。
また,「第九」は,演奏時間が長いことも特徴として挙げられます。これまでの交響曲が20~30分,長くても40分くらいだったのが,「第九」は74~75分かかります。(CDの記録時間は74分だそうですが,これは「第九」をCD1枚に収めるためだったという説もあるそうです。)
なお,交響曲は通常4つのパート(楽章)に分かれていて,「第九」も第1楽章~第4楽章で構成されています。
このうち,合唱部分は第4楽章のみで,第1楽章から第3楽章までは,通常どおり,楽器による演奏となっています。
先ほど,「第九」の演奏時間は長いと言いましたが,各楽章の演奏時間も通常より長くなっています。
第3楽章が終わり,第4楽章の合唱部分「歓喜の歌」の大合唱が始まるころ,演奏開始から軽く1時間は経過しています。
「第九」は合唱部分に限らず曲全体が名曲だとは思います。それでもクラシックになじみのない人が聴くと,もしかしたら,途中で寝てしまいそうになるかもしれない長さです。
まあ。「良い音楽は人を眠らせる」そうですから,良しとしますか。
(小林)