2017年5月9日(火)
法定相続情報証明制度について
不動産の所有者が亡くなった場合、相続登記が必要ですが、実際には放置されているものが多くあります。
相続登記を促進するために、法務省が5月29日から運用を開始するのが法定相続情報証明制度です。
これまで、銀行で預金を払い戻し請求する場合や、登記をする場合など、いちいち戸籍謄本等の束(相続関係を明らかにしなければならないため)を取得して、金融機関等に交付し、返却を受ける、ということを繰り返さなければなりませんでした。
今後は、1回、戸籍謄本等を収集し、法定相続情報一覧図(相続関係図などが記載されたもの)の記載し申し出て、登記官の確認を得れば、認証文のついた法定相続情報一覧図の写しをもらえることになります。
すなわち、1回だけの戸籍収集・提出手続で、一覧図の写しを何枚ももらえる、という点がメリットになります。
また、一覧図の写しは無料のようです。
これまで、遺産の払い戻しをするために、いくつもの金融機関をめぐって、何回もやりとりをするというのが常でした。
戸籍謄本等の取得代金がもったいないとか、面倒ということで、放置してきた方は相当多かったと思います。
これにより、大幅に相続手続きが便利になると思いますので、ぜひご活用ください。
もっとも、最初に戸籍謄本等で相続関係図をたどるところと、相続関係図を作成するところは自分でやらなければなりません。
相続関係図の作成、財産調査、遺産分割など、複雑な問題もありますので、時間がない場合には、弁護士等専門家に頼むと良いでしょう。
(関口)